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労働法トピックス

2017/03/27   労働法トピックス   雇用契約  

指揮命令権の限界~どのような指揮命令まで許されるのか?

 

 労働契約上,労働者は使用者からの指揮命令を受けて労務を提供する義務があります。この場合,使用者は,労働者に対してどのような内容の指揮命令まで許されるのでしょうか。

 

 この点,労働契約法3条5項は,「労働者及び使用者は,労働契約に基づく権利の行使にあたっては,それを濫用することがあってはならない。」と定めており,この規定や民法1条3項から,指揮命令権の行使が権利の濫用にあたるなど強行法規に違反するような場合には,その指揮命令は無効とされます。

 

 裁判例の中では,危険海域への就航命令など労働者の生命や身体に予測困難な危険をもたらす命令は無効であり,労働者を拘束しないとした千代田丸事件(最高裁昭和43年12月24日判決)や,就業規則を一字一句違わず書き写すことを命ずる就業規則書き写し命令は,みせしめを兼ねた懲罰的目的からなされたものであり,権利濫用にあたるとされたJR東日本事件(最高裁平成8年2月23日判決)などがあります。また,予め達成目標が明示されず,結果として73日間に及んだ日勤教育や,教育の必要性がないにもかかわらず教育のためとして天井清掃や除草業務を命じたJR西日本事件においては,使用者の裁量を逸脱した違法な業務命令であるとされています(大阪高裁平成21年5月28日判決)。

 

 命令の目的が嫌がらせ・みせしめなど違法・不当なものである場合や,労働者の肉体や精神に不当な苦痛を与えるなど人格権を侵害するような場合には,その指揮命令は権利濫用にあたり,違法・無効とされることになります。

 

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