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労働法トピックス

2017/03/27   労働法トピックス   雇用契約  

退職願を受け取る際の注意点

 

 労働者からの一方的な意思表示で労働契約を終了させることを「辞職」といいます。期間の定めのない雇用契約においては,労働者は2週間の予告期間をおけば,いつでも辞職することができます。辞職は,使用者にその意思が到達した時点で効力が発生しますので,労働者はそれ以降,撤回できません。

 

 これに対し,労働者と使用者双方の合意に基づいて労働契約が終了することを合意解約といい,合意解約の場合には2週間の予告期間なしにいつでも契約を終了することができます。実務上は,「退職願」等と称されるものが労働者から提出され,これが合意解約の申し入れにあたることになり,裁判例において,この退職願は使用者の承諾がなされるまでは撤回が可能とされています。
 そこで,実務上,どの時点で使用者の承諾がなされたのか,すなわち,いつまで労働者は撤回が可能なのかが争いになることがあります。 使用者側の退職願に対する承諾時期については,最高裁は,最終決裁権者である人事部長が退職願を受理した時点で承諾の意思表示があったと認定しています(大隈鐵工所事件)。

 

 また,退職願の提出が真意ではなく強制されたものであるなどとして争いになることがあります。退職願の提出が真意か否かについては,法律上,心裡留保(真意に基づく意思表示ではなく,相手方もそれを知っていた),錯誤(真意と表示行為に食い違いがあった),詐欺,強迫があったなどとして争われています。裁判例において心裡留保無効が認められた事例として,労働者が退職の意思を持たずに,反省の意を強調する意図で退職願を提出し,使用者もその趣旨を知って退職願を受領したとした昭和女子大学事件があります。また,錯誤無効が認められた事例として,使用者が客観的には解雇事由や懲戒解雇事由が存在しないのにそれがあるかのように労働者に誤信させて退職の意思表示をさせた富士ゼロックス事件があります。さらに,強迫取消が認められた事例として,若年労働者を長時間部屋に押しとどめて懲戒解雇をほのめかして退職を強要した岩見交通事件などがあります。

 

 このような事例からも分かるとおり,労働者から退職願が提出されたとしても,どの時点で法的な退職の効力が発生するのか,労働者側の意図に瑕疵はないかをきちんと確認することがその後のトラブルを防止するためには必要でしょう。

 

 労務問題でお悩みでしたら,ぜひ一度,弁護士法人アステル法律事務所にご相談ください。

 

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