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2021/09/02   新法・法改正・判例紹介トピックス   法改正  

共有物の分割

1.共有物分割訴訟における判例法理の明文化

1)改正経緯

旧法下においては、判例法理の積み重ねにより、明文にないルールができていたところ、条文との間に乖離がありました。

これらの乖離を解消するために、明文化されたものです。

 

2)改正内容

改正後

第258条

1 共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができる。

2 裁判所は、次に掲げる方法により、共有物の分割を命ずることができる。

一 共有物の現物を分割する方法

二 共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法

3 前項に規定する方法により共有物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。

4 裁判所は、共有物の分割の裁判において、当事者に対して、金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずることができる。

 

ア 改正法258条1項

判例(最判昭和46年6月18日)において、改正前民法258条1項にいう「協議が調わないとき」には、共有者の一部に共有物分割の協議に応ずる意思がないため共有者全員において協議をなしえない場合を含むとされた点を明文化し共有者間に協議が整わないときだけでなく、協議ができないときも裁判による共有物の分割を求めることができるとしました。

 

イ 改正法258条2項

判例(最判平成8年10月31日)において、「当該共有物の性質及び形状、共有関係の発生原因、共有者の数及び持分の割合、共有物の利用状況及び分割された場合の経済的価値、分割方法についての共有者の希望及びその合理性の有無等の事情を総合的に考慮し、当該共有物を共有者のうちの特定の者に取得させるのが相当であると認められ、かつ、その価格が適正に評価され、当該共有物を取得する者に支払能力があって、他の共有者にはその持分の価格を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないと認められる特段の事情が存するときは、共有物を共有者のうちの一人の単独所有又は数人の共有とし、これらの者から他の共有者に対して持分の価格を賠償させる方法(以下「全面的価格賠償の方法」という。)による分割をすることも許されるものというべきである。」としています。そこで、改正法においては、共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法をとることができる旨、明文化されたものです。

もっとも、考慮要素については明文化されていませんので、解釈に委ねられることになります。

 

ウ 改正法258条4項

改正法では、裁判所が、共有物分割を命じる場合、当事者 に対して、金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命じることができるとして、履行確保措置が規定されています。

 

2.遺産共有持分の分割手続の特則

1)改正経緯

   遺産共有の財産を分割する手続きについて、改正前は規定されておらず、判例によって、共有物分割訴訟ではなく遺産分割手続によるとされてきました。また、遺産共有と一般共有持分が混在する場合に、その両方の共有状態を解消するには共有物分割訴訟によるものとし、その上で、共同相続人に分割された財産につき遺産分割によることとされてきました。

かかる解釈をもとに改正法において新設されたものです。

新設

第258条の2

1 共有物の全部又はその持分が相続財産に属する場合において、共同相続人間で当該共有物の全部又はその持分について遺産の分割をすべきときは、当該共有物又はその持分について前条の規定による分割をすることができない。

2 共有物の持分が相続財産に属する場合において、相続開始の時から十年を経過したときは、前項の規定にかかわらず、相続財産に属する共有物の持分について前条の規定による分割をすることができる。

ただし、当該共有物の持分について遺産の分割の請求があった場合において、相続人が当該共有物の持分について同条の規定による分割をすることに異議の申出をしたときは、この限りでない。

3 相続人が前項ただし書の申出をする場合には、当該申出は、当該相続人が前条第一項の規定による請求を受けた裁判所から当該請求があった旨の通知を受けた日から二箇月以内に当該裁判所にしなければならない。

 

2)新設内容

ア 共有物の全部又は一部が相続財産である場合には、共有物分割訴訟によることはできず、遺産分割手続だけができます(改正法258条の2第1項)。

イ 例外的に、相続開始から10年間、遺産分割未了で放置されたままであった場合、遺産分割をせずに共有物分割をすれば、共有状態を完全に解消することができることが規定されました(改正法258条の2第2項本文)。

   10年経過後とされたのは、相続人に認められる具体的相続分による分割等の遺産分割ならではの分割方法をとることができる等の利点に配慮する趣旨です。

ウ しかし、相続開始から10年を経過した場合でも、遺産分割の請求があり、かつ相続人が共有物分割訴訟によることに異議を述べた場合には、原則に戻り、遺産分割手続によらなければならない旨が定められました(改正法258条の2第2項但書)。なお、共有物分割訴訟が係属する裁判所から通知を受けた日から2か月以内に異議の申出を行わなければなりません(改正法258条の2第3項)。

 

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