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トピックス

2021/12/06   新法・法改正・判例紹介トピックス   法改正  

相隣関係に関する規律の変更

1 改正前民法の問題点

改正前民法209条1項は、「土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる」旨を定めています。

しかし、同項に挙げられていないケース(樹木の植栽・移植や庭石の移設、ライフラインの導管等の引込み等)において、隣地の使用が可能であるかは必ずしも明確ではありませんでした。

また、隣地使用権の行使方法についても明確でなく、従来は隣地の使用を「承諾」すべきことを隣人に対して請求することができる権利と解する説が有力でした。しかし、これでは隣地を現に使用する者がいない場合、隣地所有者を探索した上で承諾を求め、所在不明である場合は承諾に代わる判決を得ない限り隣地を使用できず、これが土地の有効利用を阻害する要因となっていました。

 

2 改正の概要

改正法では、類型的に隣地使用の必要性が高い場合として、新たに①境界線付近における工作物の築造又は修繕、②土地の境界標の調査又は土地の測量及び③越境した枝の切除の場合に、必要な範囲で隣地使用が可能になる旨の規律が新設されました。

また、隣地使用権の行使方法についても新たな規律が設けられています。

条項は以下の通りです。

⑴ 改正法の条文

改正後

第209条

1 土地の所有者は、次に掲げる目的のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる。ただし、住家については、その居住者の承諾がなければ、立ち入ることはできない。

一 境界又はその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去又は修繕

二 境界標の調査又は境界に関する測量

三 第233条第3項の規定による枝の切取り

2 前項の場合には、使用の日時、場所及び方法は、隣地の所有者及び隣地を現に使用している者(以下この条において「隣地使用者」という。)のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。

3 第1項の規定により隣地を使用する者は、あらかじめ、その目的、日時、場所及び方法を隣地の所有者及び隣地使用者に通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、使用を開始した後、遅滞なく、通知することをもって足りる。

4 第1項の場合において、隣地の所有者又は隣地使用者が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。

 

以下で、条文の具体的な内容について解説していきます。

 

⑵ 権利発生事由の新たな類型化

ア 境界線付近における工作物の築造、撤去又は修繕

改正前民法209条1項には「障壁又は建物」とのみ記載されていましたが、それ以外の「工作物」を境界線付近に築造する場合等についても、隣地使用を認めることとしました(改正後民法209条1項1号)。

イ 土地の境界標の調査又は土地の測量

境界標の調査又は境界を確定するための測量を行う場合にも、隣地使用を認めることとしました(改正後民法209条1項2号)。なお、ここでいう境界はいわゆる所有権界であり、筆界ではありません。

ウ 改正後民法233条3項による枝の切除

改正後民法233条3項に基づき、土地所有者が越境した枝を切除する場合にも、隣地使用を認めることとしました(改正後民法209条1項3号)。

 

⑶ 権利の行使方法について

ア 権利の性質

改正法では、旧法の「使用を請求することができる」という文言から「使用することができる」という文言に改められています(改正後民法209条1項柱書本文)。これは、隣地所有者等の明示的な承諾がなくとも隣地を使用できるという「使用権」であることを意味するとされ、従来のように隣地所有者の承諾を求める必要は無くなりました(もっとも、後記の通り通知は必要です。)。

なお、隣地の使用は目的のために「必要な範囲内」に限られますので(改正後民法209条1項柱書)、自己の土地使用のみで完結するか否かをまず検討すべきであり、それが可能であれば必要性を欠くため、隣地使用権は成立しないと解されます。

イ 隣地使用権の行使に当たっての手続

隣地使用権の行使に当たっては、あらかじめ、その目的、日時、場所及び方法を隣地の所有者及び隣地使用者に通知しなければなりません(改正後民法209条3項)。

(ア)「あらかじめ」

「あらかじめ」とは、使用目的・方法等に鑑みて隣地の所有者及び隣地使用者が隣地使用権の行使に対する準備をするに足りる合理的な期間を置いて、という意味と解されます。

(イ)通知する内容

隣地使用の目的、日時、場所及び方法を通知する必要があります。このうち、「方法」については、通知を受けた隣地の所有者及び隣地使用者にとって、当該方法が隣地使用権の要件を充足するかの判断を可能とする程度の具体性を要します。

(ウ)通知の相手方

通知の相手方は、隣地の所有者及び隣地使用者であり、後者は地上権者や賃借人等を指すと解されます。

(エ)事前通知が困難な場合:事後通知

隣地使用の通知をあらかじめすることが困難なときは、隣地使用を開始した後、遅滞なく通知することで足ります(改正後民法209条3項但書)。

例えば、建物を早急に修繕しなければその建物に居住することができなくなるなどの急迫の事情がある場合や、不動産登記や住民票といった公的資料を確認するなど合理的な調査を行っても隣地の所有者が特定できず、又はその所在が不明である場合等が挙げられます。後者の場合、隣地の使用後に隣地所有者(又はその所在)が判明したときに通知をすれば足り、公示の方法による通知(民法98条)までは必須では無いと考えられています。

ウ 隣地の使用方法

隣地使用の日時、場所及び方法は、隣地の所有者及び隣地使用者のために損害が最も少ないものを選ばなければならないとされます(改正後民法209条2項)。

なお、隣地使用に伴って隣地使用者に損害が生じた場合には償金を支払う必要がある点は改正法でも同様です(改正後民法209条4項)。

 

以上の通り、隣地使用権の規律が改正され、従来に比べてより強い権利性が認められることとなりました。しかし、権利の発生にも要件がありますし、法定された手順等を踏まない限り、違法な自力救済行為に該当してしまう可能性もあります。

隣地の使用の可否・方法等を判断する等に当たって、お悩みのことがございましたら、弁護士法人アステル法律事務所にご相談ください。

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