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労働法トピックス

2022/04/22   割増賃金・残業代・賞与・手当   労働法トピックス  

最低賃金

1 はじめに

 最低賃金制度とは、国が労働契約における賃金の最低額を定めて、使用者に対してその遵守を強制する制度です。

 原則として、賃金の決定は労働者・使用者間の自由な取引に委ねられていますが、著しく低額な賃金を設定する等の労働力の「買い叩き」が発生すると、労働者が生活困難を来すのみならず、経済社会全体に悪影響を及ぼしかねないことになります。そのため、賃金の最低額を保障することで労働条件の改善を図り、もって、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とした「最低賃金法」が規定され、労働契約上、最低賃金を下回る賃金を定めることは禁止されています。

 本稿では、最低賃金制度に関する内容を解説します。

2 最低賃金制度について

 

⑴ 基本的な事項

 最低賃金額は、以前は時間、日、週または月によって定めることとされていましたが、雇用形態の多様化に伴うパートタイム労働者の増加等を受け、2007年改正以後は時間によって定めることとされています(最低賃金法第3条)。

 そして、使用者は、最低賃金額以上の賃金を支払わなければならず(同4条1項)、最低賃金額に達しない賃金を定める労働契約の部分は無効となり、当該部分については最低賃金と同様の定めをしたものとみなされます(同4条2項)。そして、最低賃金の適用を受ける使用者は、当該最低賃金の概要を労働者に周知させる措置をとらなければなりません(同8条、最低賃金規則第6条)。

 

⑵ 最低賃金の規制対象

 最低賃金の規制対象となる賃金は、1ヶ月を超えない期間ごとに支払われる、通常の労働時間または労働日の労働に対し支払われる賃金とされます。

 これに該当しないものとして、臨時に支払われる賃金(病気見舞金、退職金等)、1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)、通常の労働時間または労働日の賃金以外の賃金(時間外労働割増賃金、休日労働割増賃金等)、当該最低賃金において算入しないことを定める賃金(通勤手当、家族手当等)等があります(同4条3項)。

 上記の除外賃金を除いた対象賃金の額が、1時間当たり、最低賃金額以上のものでなければなりません。

 

⑶ 最低賃金の決定方式

 最低賃金の決定方式として、法律上は①地域別最低賃金と、②特定最低賃金の2種類が定められています。

 ① 地域別最低賃金

 最低賃金法は、「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障するため、地域別最低賃金……は、あまねく全国各地域について決定されなければならない」と規定しています(最低賃金法第9条1項)。これは、最低賃金の原則的制度と位置づけられており、日本では都道府県ごとに47の最低賃金が設定されています。

 地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費、賃金、通常の事業の賃金支払能力を考慮して定めなければなりません(同9条2項)。これらに加え、2007年法改正では、「労働者の生計費を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮する」との規定が定められました(同条3項)。すなわち、公的に支給される生活保障の給付額より、働いて得られる最低賃金額が下回ることは無いようにするための配慮がされています。

 地域別最低賃金は、パートタイム労働者や学生アルバイト等も含む全ての労働者に適用されます。また、派遣労働者については、賃金を支払うのは「派遣元」ですが、最低賃金は「派遣先」の事業場の所在地を含む地域について決定されたものが適用されます(同13条)。

② 特定最低賃金

 地域別最低賃金は全ての労働者に適用される原則的な制度ですが、特定の産業について、労使の申出により、厚生労働大臣または都道府県労働局長が地域別最低賃金を上回る最低賃金を補足的に設定するのが、特定最低賃金制度です。

 特定最低賃金の額は、当該特定最低賃金の適用を受ける使用者の事業場が属する地域についての地域別最低賃金の額を上回るものでなければなりません(最低賃金法第16条)。

3 罰則規定について

 

 地域別最低賃金については、これに違反して最低賃金を下回る賃金を支払っていた者に対し、50万円以下の罰金が課されます。もっとも、特定最低賃金については、船員に係るものを除いて、罰則はありません(最低賃金法第40条)

 労働者は、事業場に最低賃金法違反の事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長または労働基準監督官に申告し、是正のための措置を求めることができます(同第34条1項)。そして、この申告をしたことを理由とした労働者に対する解雇その他の不利益な取り扱いをすることは禁止されており(同条2項)、これに違反した者は6月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます(同第39条)。

4 おわりに

 以上の通り、最低賃金については多くの法規制があり、違反した場合の罰則規定も設けられています。また、単なる刑事上の罰則のみでなく、労使間の信頼関係の亀裂や風評被害にまで発展する可能性があり、法を遵守した適正な賃金体系を定めることは必須です。

お困りの際は、お気軽にアステル法律事務所にご相談ください。

以上

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