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労働法トピックス

2017/04/24   労働法トピックス   賃金・手当  

退職金の減額・不支給

 

 退職金を請求する権利(支払う義務)も,賞与と同様,会社と従業員個人との間の個別の合意に基づいて発生します。もっとも,多くの会社では,就業規則(退職金規程)により支給対象者等について定めが置かれており,それが個別の合意内容にもなっているでしょう。
仮に明確な合意や就業規則がない場合でも,従前の支給実績等から黙示の合意が認められることもあります。
 
 退職金は,賃金の後払い的な性格とその従業員の過去の功労に対する報償的な性格とを併せ持つものがほとんどです。
 このため,会社に対する背信行為や就業規則上の懲戒事由に該当するような非違行為があった場合には,功労の抹消を理由として,退職金の全部または一部を支給しないということがあり得ます。就業規則にも,いわゆる「退職金減額・不支給条項」が設けられていることが多いでしょう。
 
 もっとも,退職金を減額又は不支給に出来るか否かというのは,過去の功労をどれだけ抹消させているのか,その背信行為や非違行為の重大性や,会社に実際に与えた不利益・損害の程度等を考慮する必要があります。以下,裁判例を紹介します。
 
■退職金を減額してよいとした事案
【3割を支払うべきとされた事案】
 ・小田急電鉄事件(東京高判H15.12.11)
  痴漢撲滅に努めていた鉄道会社従業員が,休日に他社の鉄道で痴漢行為をした(かつ,過去にも2回痴漢行為を行っていたことが判明した)事案。
 ・NTT東日本事件(東京高判H24.9.28)
  勤続23年の従業員が強制わいせつ事件により起訴された事案。
 
【6割を支払うべきとされた事案】
 ・橋元運輸事件(名古屋地判S47.4.28)
  管理職にあるXが,会社の許諾なく,競業他社の取締役となった事案。
 
■退職金を減額できない(全額払うべき)とした事案
・トヨタ工業事件(東京地判H6.6.28)
 終業後の花見会について,課長Xを問責したところ,課長が問責されたことに反発した部下一同が集団で出社せず,会社がさらにその責任を課長に負わせ,Xを懲戒解雇とし退職金を不支給とした事案。
 ・日本コンベンション事件(大阪高判H10.5.29)
  退職後に競業避止義務に違反したとみられる事案。
 ・洛陽総合学院事件(京都地判H17.7.27)
  教員であったXが遅刻やその他多々ミスを起こしていたうえ,突然退職した事案。
 
 以上の裁判例にみれば,単に「好き勝手した」「不注意が多い」「急に退職されて迷惑を被った」といっただけでは退職金の減額は困難であり,実際に会社に社会的評価の毀損や金銭的損害が生じるような事情が必要とみられます。
 また,少なくとも退職金を半分以下に減額する際には,懲戒解雇事由にも該当しうるような事由が必要ではないかと考えられます。さらに,それを超えて不支給とするには,よほど重大な背信行為・非違行為があり,それにより会社に実際に金銭的に評価すれば退職金相当額以上となるような重大な社会的評価の毀損や金銭的損害が生じている必要があるでしょう。
 
 なお,以上述べてきた減額等については,近年増えているポイント式退職金や退職時積立払金など賃金後払い的性格が強いものには当てはまらないことがありますので,ご留意ください。

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