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企業法務トピックス

2018/03/02   企業法務トピックス   法人の方  

取締役が会社に対して負う責任~競業避止義務~


Q.

当社(A社)は和菓子の製造・販売を業としています。
私(X)は、A社の取締役ですが、他に和菓子の製造・販売を業とするY社の取締役にもなりました。
この場合、私はA社から競業避止義務違反として損害賠償請求を受けてしまうのでしょうか。

A.

Y社を代表したり、Y社の事実上の主催者となって和菓子の製造・販売業に関する取引をしない限り、競業避止義務違反を理由に損害賠償責任を負うことはありません。

解説:競業避止義務

取締役が会社の事業と競合する事業を行うことは、会社のノウハウや顧客情報を奪う形で、会社の利益を害する危険があります。
そのため、会社法は、取締役が自己または第三者のために会社の事業の部類に属する取引(「競業取引」といいます。)をしようとするときには、取締役会の承認を受けなければならない旨の規制を置きました(会社法356条1項1号、同365条1項。この義務を「競業避止義務」といいます。)。これに違反して承認を受けずに競業取引を行った場合、それにより取締役が得た利益を会社が被った損害額と推定し(同423条2項)、会社に対して損害賠償義務を負うことになります。
ここでいう「自己または第三者の『ために』」とは、通説では、取締役又は第三者が実質的な損益の帰属主体となる場合に限定されています。
規制の対象になるのは「取引」ですので、ⅩがY社を代表したり、Y社の事実上の主催者となって和菓子の製造・販売業に関する取引をしない限りは、規制の対象にはなりません(代表取締役や出資者でなくとも、会社において中心的な役割を果たす事実上の主催者であったと認め、競業取引に該当する旨判断したのが名古屋高裁平成20年4月17日判決です。)。

Q.

上記事例で、A社の定款には、会社の目的として「茶道具の製造・販売」も記載されていますが、そのような事業をA社が行う予定はなかったので、A社の取締役である私(X)は自らそのような事業を始めました。
このような場合も、競業避止義務違反としてA社から責任追及を受けてしまうのでしょうか。

A.

A社が実際にその事業に関する取引を行っておらず、特に行う予定もないのであれば、規制対象にはなりません。

解説:規制対象になる取引①

競業取引として規制の対象になる取引は、会社が実際にその事業において行っている取引と、目的物と市場が競合する取引です。
したがって、たとえ定款に記載された事業でも、実際に同事業に関する取引が行われていなければ、規制の対象にはなりません。しかし、会社が当該事業を行う予定がある場合は注意が必要です(後述。)。

Q.

上記事例で、A社は、来年には洋菓子の製造・販売に乗り出す予定で、すでにその準備を進めていましたが、私(X)は、自らそのような事業を始めました。
このような場合、A社から責任追及を受けてしまうのでしょうか。

A.

会社が進出のための準備を進めている事業については、規制の対象になりますので、競業避止義務違反を理由にA社から損害賠償請求を受ける可能性が高いです。

解説:規制対象になる取引②

会社が現に行っていない事業でも、進出のための準備を進めている事業については、規制の対象になります(東京地裁昭和56年3月26日判決)。
したがって、A社が洋菓子の製造・販売に乗り出す予定があるのであれば、同事業を開始することは競業取引に該当します。

コラム:競業取引に該当した場合の責任について
取締役会の承認を受けずに競業取引が行われた場合であっても、その取引が無効になるわけではなく、取締役が得た利益を損害額と推定したうえで(会社法423条2項)、損害賠償により会社の救済を図ります。
また、取締役会の承認を得ていた場合でも、競業取引が行われ、それによって会社に損害が生じた場合、なお会社に対する忠実義務違反を理由として、会社に対して損害賠償責任を負うことがあります(その場合は会社法423条2項による損害額の推定は行われません。)。

まとめ

取締役の方が、会社の職務執行とは別に自ら事業を営もうとする場合や、類似業務を行う会社の取締役に就任しようとする場合、常に競業避止義務違反に該当しないかどうか検討する必要があります。
上記の通り、競業避止義務違反に該当するケースは様々な事態が想定されておりますので、コンプライアンスの観点から、事業を開始する際には事前にご相談いただければと思います。

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