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2020/06/20   新法・法改正・判例紹介トピックス   法改正  

債権譲渡に関する見直し


1. 債権譲渡とは

例えば、AがBに対して売掛金債権を持っているとします。この債権について、Bに売買代金を支払ってもらう権利を、AからCに移転させることを、債権譲渡といいます。
Bに対する売掛金債権でCに対する売掛金債務を弁済したり、将来支払ってもらう予定の売掛金債権をCに売って現金化したり、債権譲渡の活用のニーズが指摘されています。

2. 改正の経緯

ところが、当事者であるAとBは、「債権者であるAは、債務者であるBの承諾を得なければ債権譲渡をしてはならない」という特約を定めることができます。これを「譲渡制限」といいます。Bにとっては、債権譲渡を繰り返されると、誰が債権者なのか分からない、すなわち、誰にお金を払えばいいのか分からない状態になってしまいます。譲渡制限には債権者を固定化する効果があり、特に事業者の間では、ほとんどの債権には譲渡制限が付されています。
そのため、Aが債権譲渡によって資金調達しようとしても、Bの承諾が得られず債権譲渡できないことが多くありました。
また、譲渡制限に反した債権譲渡がされた場合、譲受人Cが譲渡制限を知っていたか、知らなかったことに重大な過失があるときは、債権譲渡は無効になると解されていました。
そのため、譲受人Cが不安定な地位に置かれる可能性があり、債権が売買される場合、その代金が低廉になるという問題がありました。

3. 改正の内容

このような問題に対応し、債権譲渡の活用を促進するべく、以下のとおり民法改正が行われました。

1) 債権譲渡の効果

譲渡制限が付された債権であっても、債権譲渡は有効であり、債権者Aから譲受人Cへ債権を移転できるようになりました(民法第466条2項)。
ただし、預金債権の場合、すなわち、債権者Aが預金者・債務者Bが金融機関の場合には、譲渡制限に反する債権譲渡は無効です。

2) 債務者Bの保護

債権者を固定化するという債務者Bの利益に配慮し、その保護を図るため、譲受人Cが譲渡制限を知っていたか、知らなかったことに重大な過失がある場合は、BはCに対する支払いを拒絶できることとされました。また、債権者Aに既に支払いを済ませていたといった事情がある場合には、Cはこれに反する債権回収をすることはできません(民法第466条3項)。
このような場合、Cは、Bに対し、相当の期間内にAに対し支払いをするよう催告することができます。Bがこれに従わない場合、Cに対する支払いを拒絶し続けることはできません(民法第466条4項)。
なお、債務者の異議をとどめない承諾の制度(改正前民法第468条1項)は廃止されました。Aへの抗弁をBがCに対して主張できないようにするためには、個別の抗弁を放棄する意思表示が必要です。

3) 将来債権の譲渡

また、例えば、継続的に取引がある債務者Bに対する将来の売掛金のような、将来発生する債権を譲渡できるかどうかという問題がありました。
判例上認められていましたが、法文上明らかでなかったため、この点についても明文化されました(民法第466条の2)。

4) 経過措置(附則第22条)

改正民法施行日である2020年4月1日前に行われた債権譲渡に関しては、改正前民法が適用されます。
2020年4月1日以降に行われた債権譲渡に関しては、たとえ同日より前に譲渡制限が付されていたとしても、改正民法が適用されます。

資金調達等の目的で、債権譲渡を活用することが期待されています。もっとも、ほとんどの事業債権には譲渡制限が付されているため、債権譲渡をするAの立場でも譲渡を受けるCの立場でも、注意が必要です。また、債権譲渡されたBの立場では、誰にどのような場合に支払えばいいのか、注意が必要です。

 

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