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2020/06/24   新法・法改正・判例紹介トピックス   法改正  

保証

1 包括根保証禁止の対象拡大

改正民法465条の2で、一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする根保証契約で、保証人が法人でないもの(以下「個人根保証契約」といいます。)について、保証人が責任を負う上限(極度額)を書面で定めなければ、保証契約自体が無効となる旨規定されました。ここでの極度額は、元本のみならず、保証人が負うこととなる責任の一切について定めなければなりません。
根保証契約は保証債務を負う期間が長く、債務が際限なく増大する可能性があるため、当初保証人が予測できなかった過大な責任が生じるおそれがあります。そこで、保証人保護のため、個人根保証契約の場合、書面で極度額を定めることが義務化されました。
具体例として、賃貸借契約の賃借人保証や、被用者の身元保証、継続的な銀行取引の保証等が挙げられます。改正民法施行後(2020年4月1日以降)にこれらの契約を締結する際は、書面で極度額を定めない限り、保証契約自体が無効となります。
改正前民法では、極度額を定める義務は、債務に貸金等が含まれる根保証契約にのみ適用されていました。しかし、保証人保護の観点から、全ての根保証契約に適用が拡大されることになりました。

 

2 事業用融資における第三者保証(公証人による意思確認手続)

(1)保証意思を宣明する公正証書作成の義務化
改正民法465条の6第1項は、事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約等を個人が締結する場合、原則として、公正証書で保証債務を履行する意思を表示しなければならない旨規定しました。
事業用資金の融資は高額になることが多いため、個人的な情誼等から保証人となった者が、多額の保証債務の履行を求められ、生活破綻に追い込まれることもありました。そのため、保証人が保証契約のリスクを十分に理解した上で保証契約を締結しようとしているかを厳格に確認する必要があるとされ、公証人による保証意思の確認が義務化されました。
公証人による保証意思の確認は、必ず保証人本人(代理は不可)が公証人役場に出頭する必要があります。保証契約締結の日前1か月以内に行われる必要があり、手数料は、1万1000円となります。
(2)例外規定
あらゆる事業用融資の個人保証について公正証書の作成を求めると、煩瑣になり過ぎることから、主債務者の経営にある程度関与していると想定される者は、適用対象外とされています。
例えば、①主債務者が法人である場合のその理事、取締役、執行役又はこれらに準ずる者、②主債務者が法人である場合のその総株主の議決権の過半数を有する者等、③主債務者が個人である場合、共同事業者又は事業に現に従事している主債務者の配偶者は適用対象外とされていますので、公正証書による保証意思の宣明は不要です。

3 保証契約締結時の情報提供義務

主債務者から「迷惑はかけないから」と懇願され、主債務者の財産状況(すなわち、保証のリスク)を十分に把握しないまま、保証人となってしまうことが少なくありません。特に、主たる債務が事業のために負担する債務であれば、保証人が負う責任も高額になりますので、トラブルになるケースが多くありました。
そこで、改正民法465条の10は、事業に関する債務の個人保証について、保証契約締結時における主債務者から保証人に対する情報提供義務を定めました。主債務者は、保証を委託する者に対し、①自身の財産及び収支の状況、②主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況、③主たる債務の担保として他に提供し、又は提供しようとするものがあるときは、その旨及びその内容に関する情報を提供しなければなりません。
仮に主債務者が①~③の情報を提供しないか、又は事実と異なる情報を提供したことが理由で保証人となった場合、保証人は保証契約を取り消すことができます。ただし、取消しが可能なのは、債権者が①~③の情報提供の不備について知っていたか、又は知らなかったことに過失があったときに限られますので、注意が必要です。

4 経過措置

改正民法は、2020年4月1日から施行されていますので、同日以降に締結する保証契約に適用されます(改正法附則第21条)。
ただし、主たる債務が継続的契約(例えば賃貸借契約)の場合、以下のような問題が生じます。
例えば、民法改正前(~2020年3月31日)に締結された賃貸借契約が、民法改正後(2020年4月1日~)に合意更新される場合、①更新後の賃貸借契約には「改正民法」が適用される一方、②保証契約は、特段新たに合意しない限り、「改正前民法」が引き続き適用されます。
この場合、保証契約は、当初から「賃貸借契約更新後の債務まで含めて保証する」趣旨で締結されています。そのため、賃貸借契約が更新されても、保証契約については、改正前に締結したものがそのまま継続していると考えられるからです。
しかし、契約更新時に、保証人からも署名・捺印等を取得してしまうと、民法改正後に新たに保証契約を締結したと解釈され、1~3で解説したような規制が及ぶリスクが生じます。個人保証を取られている債権者の方々は、注意が必要です。

 

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