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2020/09/03   新法・法改正・判例紹介トピックス   法改正  

原始的不能

1 原始的不能の場合の損害賠償請求規定の新設

売買契約成立時点で既に目的物が消失していた場合など、契約成立時点で既に債務が履行不能になっていたような場合のことを、原始的不能といいます。

 

改正前民法では、この原始的不能の場合に、債務者(上述の例でいえば目的物を引き渡すべき売主)が債権者(買主)に対して債務不履行に基づく損害賠償責任を負うかどうかについて、何も定められていませんでした。

このため、契約自体が無効であり、原状回復(支払った代金の返還)は求められるものの、それ以上に被った損害について賠償請求はできないのではないかとの考えもありました。

 

これについて、改正民法412条の2第2項では、原始的不能の場合でも、415条1項に基づく損害賠償請求ができると規定されました。もっとも、債務者に帰責事由がないときにまで賠償する責任を負わせるものではありません。

 

2 経過措置

令和2年4月1日より前に成立した契約については従前の例により、同日以後に成立した契約について改正法が適用されることになります。

 

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