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トピックス

2020/09/16   新法・法改正・判例紹介トピックス   法改正  

連帯債務・相殺禁止・弁済(第三者弁済)

連帯債務

 

1 改正の背景及び内容

改正前民法434条では、連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対してもその効力を生ずると定められていました(絶対効)。

例えば、債権者から債務者に対して履行の請求を行うと、期限の定めのない債務の付遅滞効(履行の請求を受けた時から遅延損害金が発生)や、消滅時効の中断効が生じることになります。そして、絶対効により、これらの効力は履行の請求を受けていない他の連帯債務者にも及ぶことになります。

ところが、連帯債務者の一人に対して履行の請求がされたことを他の連帯債務者は当然には知ることができないので、知らぬ間に消滅時効が中断したり、履行遅滞に陥っていた等の不測の損害を被るおそれがありました。

そこで、改正民法441条本文では、連帯債務者の一人に対する履行の請求は、原則として他の連帯債務者に対して、その効力を生じないこととされました(相対効)。

したがって、債権者は、履行の請求の効力を生じさせたい各連帯債務者に対して、履行の請求を行わなければなりません。

改正民法441条は任意規定であり、特約によって異なる定めを置くことはできます(改正民法441条但書)。相対効は債権者にとって不利に働きますので、債権者側としては、契約書等で絶対効に関する特約を設けておくのが望ましいといえます。

 

2 絶対効が生じる範囲に関する一覧表※

また、更改(改正民法438条)・相殺(改正民法439条)・混同(改正民法440条)については、相対効とすると求償の循環が発生するといった問題が生じてしまうので、例外的に絶対的効力事由として定められています。

 

3 連帯保証債務についての準用

連帯債務に関する各規定は、連帯保証債務における主債務者・連帯保証人にも準用されますので(改正民法458条)、前記の通り、債権者としては保証契約締結の際、予め絶対効に関する特約を設けておくのが望ましいと言えます。

 

4 経過措置

当該債権債務が生じる原因である法律行為が施行日(令和2年4月1日)以後になされていれば改正民法が、施行日より前の日になされていれば改正前民法が適用されます(経過措置に関する附則20条1項~3項)。

債権債務の発生時とは必ずしも一致しませんので、注意が必要です。

 

相殺禁止

 

1 改正の背景

改正前民法509条は、不法行為に基づく損害賠償請求権を受働債権(相殺を主張されている側が有する債権)とする相殺を、債権者に対抗できないものと規定していました。

これは、現実の給付を実現させることにより債権者(被害者)を保護するとともに、報復的な不法行為の誘発(例:債権者が債務者に対して意図的に加害行為を行い、債務者に発生した損害賠償請求権と相殺して債権回収を図る等)を防止する趣旨に基づいています。

しかし、改正前民法の規定だと、相殺禁止の範囲が広く、形式的に貫徹すると不都合が生じる事案もありました。例えば、双方の過失で交通事故(物損)を起こし、相互に不法行為債権を有している場合、一方が無資力であっても相殺ができず、自己の債務のみ全額弁済を行わなければならない場合等です。

そのため、相殺禁止の趣旨に照らして合理的な範囲に制限する内容の改正が行われることになりました。

 

2 改正の内容

改正民法509条は、相殺禁止の対象を以下に限定しました。

(1)悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務

報復的な不法行為の誘発を防ぐ観点から対象とされたものです。ここにいう「悪意」とは、単なる故意とは異なり、「加害の意思」を含むものとされます。

(2)人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務

生命・身体の侵害の場合、特に被害者に現実の給付を得させる必要性が高いという観点から対象とされたものです。これは、不法行為債権に限らず、債務不履行に基づく損害賠償請求権にも適用されます。

(3)例外規定

上記(1)・(2)の債務にかかる債権が他人から譲り受けたものであれば、これを受働債権とする相殺は禁止されません(改正民法509条柱書但書)。譲渡された場合にまで被害者保護を図る必要性は無いと考えられるためです。

また、改正民法509条による相殺禁止は、あくまで一方的に相殺の意思表示を行う場合に関する定めであり、債権者・債務者が合意の上で相殺をすることは禁じられません。

 

3 経過措置

「受働債権」が施行日(令和2年4月1日)以後に発生していれば改正民法が、施行日より前に発生していれば改正前民法が適用されます(経過措置に関する附則26条2項)。

「自働債権」の発生時期で決せられるわけでは無い点に注意が必要です。

 

弁済(第三者弁済)

 

1 改正の背景

改正前民法474条は、利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない旨規定していました。

しかし、債権者が、債務者の意思に反することを知らないで弁済を受けた場合、後ほど弁済が無効になるおそれがあり、いったん受領した給付を返還する義務を負うという酷な結果になりかねません。しかし、見知らぬ第三者から弁済の申出があった場合、債権者がこれを拒絶することを認めた規定もありませんでした。

そこで、第三者弁済について、債権者保護を図る改正がされました。

 

2 改正の内容

(1)善意の債権者保護

改正民法474条2項は、「弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、この限りでない。」と規定し、善意の債権者を保護する規定を置きました。

これにより、弁済をするについて正当な利益を有しない第三者から弁済の提供がされても、債権者が債務者の意思に反していることを知らなければ、弁済は有効とされますので、後に返還を求められることもありません。

(2)第三者弁済の受領拒絶

改正民法474条3項本文は、「前項に規定する第三者は、『債権者』の意思に反して弁済をすることができない。」と規定しました。

これにより、債権者としては、見知らぬ第三者からの弁済の提供につき、その受領を拒絶することができるようになりました。

ただし、当該第三者が債務者の委託を受けて弁済をする場合において、そのことを債権者が知っていたときは、受領拒絶はできないとされています(同条3項但書)。

 

3 経過措置

弁済については、債務の発生時を基準として、債務の発生が施行日(令和2年4月1日)より前であれば改正前民法が適用されます。ただし、施行日以後に債務が発生した場合であっても、その原因である法律行為が施行日前にされた場合は、改正前民法が適用されます(経過措置に関する附則25条1項、17条1項)。

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