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トピックス

2020/10/14   新法・法改正・判例紹介トピックス   法改正  

請負

1 請負人の担保責任

(1)総論

   改正前民法では、「仕事の目的物に瑕疵があるとき」は、注文者は瑕疵の修補または損害賠償を請求でき、瑕疵によって契約目的が達成できない場合に限り解除ができる旨が定められていました(改正前民法634条、635条)。

   しかし、改正法ではこれらの規定がいずれも削除され担保責任に関しては有償契約の原則となる売買契約の規定(改正民法559条)が包括的に準用されることになりました。

   これにより、売買契約の場合と同様に、「仕事の目的物が契約不適合にあたるとき」は、注文者は①追完請求(民法562条:修補、代替物の引渡し、不足分の引渡し)、②代金減額請求(民法563条)、③損害賠償請求(民法564条、415条)、④契約解除(民法564条、541条又は542条)ができるようになりました。この担保責任の詳細については、こちらをご覧ください。

(2)解除権

   改正前民法635条本文では、請負契約の仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができるとされていましたが、この規定は削除されました。

また、改正前民法635条ただし書では、建物その他の土地の工作物については、瑕疵があっても注文者からは契約の解除ができないとされていましたが、こちらの規定も削除されました。

その結果、仕事の目的物が契約の内容に適合しない場合には、催告解除(改正民法541条)、無催告解除(改正民法542条)の要件に従って契約を解除することができるようになりました。

(3)担保責任の存続期間

   改正前民法では、担保責任の存続期間は仕事の目的物を「引渡した時」から計算され、その期間も原則は1年としつつ(改正前民法637条1項)、例外的に延長する規定が設けられていました(改正前民法638条)。

   これに対して、改正法では、仕事の目的物の種類にかかわらず、注文者は契約不適合を「知った時」から1年以内に通知をしなければ、請負人の担保責任を追求することができないと定められました(改正民法637条1項)。ただし、請負人が契約不適合を知っていた場合、または重過失により知らなかった場合には、こうした期間制限は適用されません。

 

2 請負人の報酬請求権

   改正前民法633条では、請負契約における報酬は「仕事の目的物の引渡しと同時に」支払われることとされており、仕事が完成せずに解除等により契約が終了した場合の取り扱いについては明文の定めがありませんでした。

   そこで、改正法では、次の①、②の場合に、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなし、請負人は注文者に対し、注文者の受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる旨が定められました。

 

 

3 注文者が破産したときの請負人の解除権

   改正前民法642条1項は、注文者が破産手続開始決定を受けた場合、破産管財人だけでなく請負人も請負契約を解除することができるとされていました。

   これは、報酬の支払いが期待できないにもかかわらず費用を掛けて仕事を完成させる義務を負わせることが請負人に著しく不利益であると考えられたためです。

   そうすると、注文者が破産したときに請負人が既に仕事を完成させている場合には、こうした不利益は生じません。

そこで、改正民法642条1項ただし書では、注文者が破産した場合でも、仕事が完成した後は、請負人は契約を解除できないとされました。

 

4 経過措置

   改正民法の施行日(令和2年4月1日)より前に締結された請負契約については改正前民法が適用されます。

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