企業法務トピックス
2017/05/18 企業法務トピックス 判例紹介 新法・法改正・判例紹介トピックス 新法・法改正・新判例紹介
【新判例紹介】取締役会設置会社である非公開会社において、株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めを有効と判断した事例
平成29年2月21日、最高裁は、取締役会設置会社である非公開会社において、取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めを有効と判断しました。
この事例は、取締役会設置会社において、取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款を定めることは、代表取締役の職務執行に対する取締役会の監督権限を弱めることになるから無効であると争われていたものです。
この点について最高裁は、非公開会社においては取締役会を置くことが義務付けられていないことを前提に(会社法327条1項1号参照)、取締役会設置会社である非公開会社においては、取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができることとしても、代表取締役の選定及び解職に関する取締役会の権限(法362条2項3号)が否定されるものではなく、取締役会の監督権限の実効性を失わせるとはいえないとしました。そして、取締役会設置会社である非公開会社においては、取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めがあったとしても、それは有効であると判断しました。
取締役会設置会社の非公開会社において、株主総会で直接代表取締役の選解任を行いたいニーズもあるかと思いますが、取締役会設置会社であっても、取締役会の権限を排除しない形であれば、それを可能とするものであり、実務上参考となります。
お困りの際は、弁護士法人アステル法律事務所へご相談ください
Contact usお問い合わせ・法律相談のご予約
法的な問題でお困りの方は
まずは弁護士法人アステル法律事務所へご相談ください!
tel.0120-94くよくよ-74なし55GO! GO!
tel.0120-94-7455くよくよなしGO! GO!
受付時間/平日9:00〜17:00