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企業法務トピックス

2017/09/15   企業法務トピックス  

ボランティアバスと旅行業法


旅行業法は、3条において旅行業や旅行代理業を「営もうとする者」は登録を受けなければならないと規定し、29条1号において、3条に違反し無登録で「営んだ者」に100万円以下の罰金という刑事罰を課しています。

 

これに関し、平成29年7月28日、観光庁は注目すべき通達を2つ発出しました。

第1に「災害時のボランティアツアー実施に係る旅行業法上の取扱いについて(通知)」観観産第174号、そして第2に「自治体が関与するツアー実施に係る旅行業法上の取扱いについて(通知)」観観産第173号です。

 

第1の通達は、熊本地震後の平成28年5月頃から、災害支援を行うNPO等がバス料金の実費を参加費として徴収してボランティアバスを運行していたのが、旅行業法違反ではないかとして問題になっていたことへの対処です。

観光庁は、主催者が「発災を受けて組成されたボランティア団体、又は発災を受けて参加者を募集するNPO法人や、自治体、大学等」であれば、募集や料金収受をしても違法ではないとしました(ただし、災害の規模等により終期が定められます。)。

 

また、第2の通達は、平成29年6月頃から、自治体が不特定多数人に募集を掛けて子ども向けのキャンプやツアーをおこなうのが、旅行業法違反ではないかと問題になっていたことへの対処です。

観光庁は、「自治体が実質的にツアーの企画・運営に関与し、かつ営利性、事業性がないもの」であれば、旅行業法の適用はないとしました。

 

第1の通達により、ボランティア活動が円滑に行いやすくなったことは評価できますが、これまでに過度な抑制が働いてしまっていたのは問題でしょう。通達では、終期が定められるとされていますし、同様の問題は今後も出てくるおそれがあります。

 

ポイントは、①旅行業法2条にいう旅行業に該当する範囲と②そのうち登録を要する範囲、言い換えれば無登録だと処罰される範囲(同法3条及び同法29条1号)です。

この解釈について、高松高裁平成25年1月25日判決では概ね次のように示されました。

 

①旅行業該当性について

2条各号のいずれであっても次の2つが主要な要件になります。

【要件1】「報酬」を得ているか否か

実際に利益が生じていなくとも、旅行業に該当する行為(運送等サービス)との対価関係があれば、「報酬」にあたる。

【要件2】「事業」を行っているのか否か

収益が上がっていなくとも、反復継続する意思を持って行っていれば、「事業」性がある。

 

②登録を要する(無登録だと刑事罰が問われる範囲)について

【要件】旅行業法3条に違反して「営んだ」こと=営利目的

営利目的で旅行業該当行為を行っていなければ、刑事罰の対象ではない。

 

つまり、利益が生じなくても、運送等サービスの料金を含む金額を受領する以上は、旅行業には該当することになります。

しかし、3条に基づき登録が必要として刑事罰による規制があるのは、営利目的が認められる場合だけなのです。

このように登録を要する範囲が限られているのは、無登録者が「不当な利益を目的とした場合に」、旅行の安全等が脅かされるおそれが大きいからです(上記高松高裁判決)。

 

冒頭に示した通達は、監督庁において営利目的があるか否か等の判断が容易でない中で、可能な限り活動の委縮を防ぐために発出されたものでしょう。

しかし、災害支援の場合や行政が関与している場合以外でも、上記高松高裁判決によれば、営利目的でなければ規制対象外であるはずです。営利目的でない、社会的に有益な様々な活動の展開が過度に抑制されることにならないよう、上記旅行業法の解釈を理解いただきたいと思います。

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