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事業所報

2015/04/24

著者Author :下山 和也

THE ASTER TIMES 2015.04.vol.04

   

新年度のご挨拶

桜の季節もいつしか過ぎ,葉桜の季節となりました。
当事務所の相談室からは,熊本城の長塀沿いの桜をみることができ,事務所にいながらにして花見ができます。その油断からか,昨年は外で花見をする機会を逃してしまい,今年こそはと思っていましたが,満開後すぐに雨となり,事務所の窓から桜が散っていくのをまた来年と思いながら眺めています。

 

さて,桜の季節が過ぎると6月頃までに熊本県内の多くの会社で株主総会が開かれる時期になります。
先日,大手家具販売店で経営方針・支配権を巡って,会社側提案と株主提案の決議が行われました。テレビ・新聞でもたびたび取り上げられましたから,ご存知の方が多いかと思います。
このニュースをみて,大学時代に入っていた会社法のゼミを思い出しました。ゼミの初回は,「会社は誰のものか」というテーマで議論をしました。ゼミのみんなで株主,経営者,従業員,地域社会(経済)といった視点で意見交換したことを懐かしく思います。
国内の多くの企業は同族企業で,株主=経営者となる会社が大半で,株式も非公開となっており,株主提案と会社提案の議案が対立するような事態が頻繁に起こることはまずないでしょう。
しかし,株主提案の議案提出は,取締役会非設置会社では,議決権数の制限なく可能であり,むしろ提案自体は容易です。提案に対して不適切な対応をとれば後々の株主総会決議の有効性などの紛争を残してしまいますので提案があれば迅速・適切な対応が必要です。
会社法は目まぐるしく改正が続いていますが,株主提案権は会社所有者である株主の基本的な権利として保護され続けています。

 

様々な法改正をフォローしつつも,基本を大事にして,より一層の法的サービスの提供をできるよう事務所一同研鑽に努めていきたいと思います。

本当は怖い「景品表示法」                   弁護士下山和也

1景品表示法の大きな改正
「景品表示法」という法律は,これまであまり企業経営者の方は注意してこなかった法律かもしれませんが,平成26年に2つの大きな改正がなされました。
平成26年6月に成立した改正法(平成26年12月1日施行)においては,消費者向けのビジネスを行う事業者に景品表示法コンプライアンス体制の確立等を義務付け,これを怠る企業には,勧告や企業名の公表までなされることになりました。さらに,平成26年11月19日に成立した改正法(成立から1年6ヶ月以内に施行)においては,いわゆる優良誤認表示及び有利誤認表示を行った場合に,課徴金を納付するよう命ずることができることとされました。

 

2違反企業の致命的なダメージ
これらの一連の景品表示法改正の契機になったのは,有名ホテルによるメニュー偽装問題ですが,当然,ホテル等以外の事業者も景品表示法には注意する必要があります。不当表示が一度問題になれば,その問題は新聞,テレビ,インターネット等で広く報道され,企業名や商品名が直接公表されることになります。このような事態となれば,企業のイメージを損なうばかりか,消費者の信頼を失い,また,事後対応に不信感を抱かれれば,企業に致命的なダメージとなります。このような事態を避けるためには,普段から景品表示法の内容を理解し,これに基づいたコンプライアンス体制を確立することが極めて重要です。

 

3改正法の内容
企業経営者としては,どのような表示が景品表示法が規制する優良誤認表示及び有利誤認表示に該当するのかを理解することはもちろん,今回の一連の改正法の内容を把握しておくことが必要です。平成26年6月成立改正法においては,前述の改正に加え,消費者庁を中心とする国において表示に関する監視指導を強化するための体制を確立すると共に,都道府県知事の権限も強化されています。地方の事業者に対する監視体制も強化されることになり,景品表示法の遵守が強く要請されることになります。また,平成26年11月成立改正法においては,優良誤認表示及び有利誤認表示を行った事業者に,対象期間における売上額の3%の課徴金を支払うことを命ずることができるとされましたが,自主申告による減額や,自主返金の実施による課徴金額の減額なども定められています。
当事務所において,次回開催されるセミナーにおいては,最近大きな改正がなされ,企業経営に大きな影響を及ぼすと考えられる景品表示法について分かりやすく解説する予定です。

 

4最後に
これまで景品表示法にあまり注意してこなかった企業経営者の方は,一度この法律の内容を理解されることが必要です。本当は怖い「景品表示法」。知らなかったではすまされません。

「セクハラ」職員に対する懲戒処分を適法とした最高裁判決   弁護士岡井将洋

~最高裁平成27年2月26日判決~

1事件の概要
男性従業員2名が,1年余りにわたって複数の女性従業員に性的な発言を繰り返したとして,会社が男性職員をそれぞれ出勤停止の懲戒処分としたところ,男性従業員らが,この出勤停止処分の無効などの確認を求めて提訴した事案でした。

2争点と最高裁の判断
本件の争点は,直ちに出勤停止という重い処分としたことが不相当ではないかというものでした。
高等裁判所では,被害者から明確な拒否の姿勢がなかったこと,前もって懲戒に関する会社の方針を認識できなかったことから,直ちに出勤停止とした処分は重すぎると判断されました。
しかし,最高裁判所では,一転して処分は相当であり,有効としました。
まず,男性らの行為について,①会社内でセクハラ防止のために種々の取り組みを行っていたことからすれば,それに反する男性らの行為が著しく不適切であり,企業秩序や職場規律に与えた有害な影響は看過しがたいものと判断しました。
その上で,高等裁判所が考慮要素とした被害者の姿勢については,②職場の人間関係の悪化などを懸念して被害の申告をしにくいのであるから,男性らに有利に判断すべき事情ではないとしました。
また,③セクハラ防止の取り組みからすれば,会社内でセクハラ行為を行った際に重い処分を受けることは当然に認識すべきであったから,直ちに重い処分としたことは相当であるとしました。

3会社が注意すべきこと
会社は,セクハラ被害者に対しては,雇用機会均等法の定めにより,セクハラ防止を義務付けられていますが,今回の事件では,会社が企業内で行っていたセクハラ防止のための取り組みが,判断を大きく分けました。
また,被害者が明確な拒否の姿勢を表示しないことは,何らセクハラ加害者にとって有利にならないことも重要です。これは,単に加害者だけでなく,セクハラ防止の義務を負う会社にとっても同様であり,「被害申告がなかったからセクハラ被害などないと思っていた」という反論が成り立たないということになります。
コンプライアンスの観点からは,社内の規律の整備や,被害申告がされにくい実態に即した申告方法の整備などを検討を要する場合もあるでしょう。

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