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2020/04/29   新法・法改正・判例紹介トピックス   法改正  

持戻し免除の意思表示の推定に関する運用について

(特別受益者の相続分)

民法第903条 1~3(略)

4 婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第1項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。

1 改正の趣旨

 

夫婦の一方が他方に対して居住用不動産の遺贈又は贈与(以下「贈与等」といいます。)を受けた場合、遺産分割では原則として特別受益として取り扱われます。この場合、居住用不動産の価額を既に取得したものとして計算されることになり、配偶者の遺産分割における取得額は居住用不動産の価額分減少することになります。
もっとも、改正前民法の頃からも、婚姻期間が20年を超える夫婦の一方が他方に対して居住用不動産の贈与等をする場合は、それまでの長年の貢献に報いるとともに、その老後の生活を保障する趣旨で行われるものと考えられ、遺産分割における配偶者の具体的相続分を算定するにあたって、その財産の価額を控除して、遺産分割における取得額を減少させる意図は有していない場合が多いと考えられていました。裁判例においても、長年にわたる妻としての貢献に報い、その老後の生活の安定を図るために生前贈与したものと認定した上で、暗黙のうちに持戻し免除の意思表示をしたものと解するのが相当であると判示したものがあります。
このような考え方は、相続税法上の贈与税の特例(相続税法21条の6)という制度にも認められ、婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産等の贈与が行われた場合に、基礎控除に加え最高2000万円の控除を認めています。
今回の改正相続法では、これらの点を考慮し、婚姻期間が20年以上の夫婦の一方が他方に対して居住用不動産の贈与等をした場合、持戻し免除の意思表示があったと推定する規定が設けられました。

2 どのような場合に持戻し免除が推定されるか

 

持戻し免除が推定されるのは、①贈与等の時点で婚姻期間20年以上の夫婦で、②居住用不動産が、③贈与等されたこと、となります。
⑴ 婚姻期間20年以上の夫婦(①)
婚姻期間が20年以上の夫婦に含まれるものとしては、例えば、連続して20年以上婚姻関係にあるだけでなく、同一人と結婚と離婚を繰り返しながら婚姻期間が20年以上となっている場合も含まれるものと考えられます。もっとも、事実婚の夫婦の場合は、そもそも相続人とならないので、この規定の適用はありません。
⑵ 居住用不動産(②)
居住用不動産については、老後の生活の保障のために行われる贈与等という制度趣旨に照らし、店舗兼住所のような場合は、その構造や形態、被相続人の遺言の趣旨等によって判断されることになります。例えば、構造上、居住用部分の母屋と、店舗部分の離れのように分離されている場合に、離れも含めた全体について本規定の適用はできないと考えられます。
居住用かどうかの判断は、贈与等が行われた時点となりますが、近い将来居住に用いるという目的がある場合には、本規定の適用の可能性があります。
なお、相続税法上は、居住用不動産を購入するための資金が贈与された場合、贈与を受けた翌年3月15日までに居住用不動産取得に充てた金額の限度で贈与税の特例の適用を受けることができますが(相続税法21条の6)、本規定については居住用不動産の贈与等に限定されています。しかし、相続税の特例が適用されるような場合は、実質的に居住用不動産の贈与と評価し、本規定の適用または被相続人の持戻し免除意思を認定し、解決する可能性が考えられます。
⑶ 贈与等(③)
相続税の特例と異なり、贈与だけでなく遺贈も含まれています。
なお、遺言書の記載方法としては、相続人の一部の者に特定の財産を「相続させる」という記載をすることがあります。このような記載の遺言書は、一般に、遺贈ではなく遺産分割方法の指定(民法908条)と考えられている(平成3年最高裁判例)ので、本規定を直接適用することはできません。しかし、このような遺言が作成されている場合も、遺言者の意図としては、本規定の制度趣旨と同様、長年の貢献とその後の生活の保障にあると考えられるため、同様の解決が導かれることになると見込まれます。

3 効果

 

本規定は、持戻し免除の意思表示があったと推定するものであるため、被相続人が持戻し免除の意思を有していたと評価される場合には、持戻しをした上で遺産分割がされることとなります。
なお、本規定は、令和元年7月1日から施行されており、施行日前の贈与等には適用されません。

持戻し免除の意思表示については、被相続人の合理的意思がどのようなものであったかを双方主張立証していくことになり、激しく対立しやすい分野でもあります。遺産分割、相続のトラブル発生が見込まれる場合、できるだけ速やかに当事務所にご相談ください。


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