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2020/11/04   コロナ関連トピックス   テレワーク  

コロナ対応Q&A(労務編)テレワークに伴うハラスメント

1 設問

当社では、新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを積極的に活用すべく模索中ですが、先日、ニュースで、テレワークハラスメント、リモートワークハラスメントというようにテレワークという勤務形態から新たなハラスメントが生じていると報じられていました。テレワークに伴うハラスメントを防止するための留意点等があれば教えてください。

 

2 回答

(1)ご質問のとおり、テレワークという勤務形態が徐々に普及することにつれ、これに伴うハラスメントが生じていると言われています。

その中には、下記の定義に該当するようなセクハラもあれば、パワハラもあります。また、セクハラやパワハラには該当しないものの、良好な職場環境の維持という観点に照らして好ましくない行為もあります。

 

 記

 セクハラ

① 職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受けること

② 職場において行われる性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること

 男女雇用機会均等法第11条1項
パワハラ   職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより労働者の就業環境が害されること  労働施策総合推進法第30条の2

 

   また、リモートワークの場合、一定の頻度でオンライン会議の場を設けることになると思われますが、その際に、背景に映り込む部屋の様子や従業員の服装(私服)や身だしなみ、家族の声などに言及する、叱責する、嫌みを言うといった形のハラスメントもあるようです。オンライン会議では、合成背景を用いていない場合、部屋の様子が映り込むことになりますし、また、従業員も自宅での勤務ですので私服であることが多いと思われます。会議の参加者としては、コミュニケーションを取るべく、そうした点につい言及してしまうということもあるかもしれません。しかし、業務遂行の観点からは、従業員の私生活に言及し、プライバシーに踏み込む必要性はないはずです。また、私生活への言及を快く思わない従業員も存在します。私生活への言及は、場合によっては、セクハラあるいはパワハラ(個の侵害)に該当するとの指摘を受ける可能性もありますので、気になったとしても、あえて言及しないという配慮が求められます。

 

(2)例えば、就業時間中にオンライン会議ではないにもかかわらず常時Webカメラを起動しておくように求めるといった事案もあるようです。リモートワークにおいては、職場から切り離されることから従業員が孤立感を深め易いためコミュニケーションを活性化させるという観点や、就業状況が見えづらいためモニタリングという観点を考慮してのことではないかと思われます。しかし、会議等の必要がないにもかかわらず、常時カメラを起動するよう求められるというのは、それが現に監視する趣旨ではないとしても、従業員にとって決して心地よいものでないことは明らかです。自宅等の職場から離れた場所での勤務ですので、就業状況や労働時間を管理することが必要であることは当然ですが、過剰になることは相当ではありません。もちろん、事案によりけりとは思いますが、一般的には、常時Webカメラを起動しておくように求める業務上の必要性は乏しいと思われます。

   また、リモートワークにおける業務指示はメールやチャット、グループラインといった文字でのやりとりが中心になることが想定されます。ただ、文字でのやりとりは、送信者の表情が見えず、一般的に、冷たく、命令口調に感じると言われています。業務指示であれば命令調に受け取られるような表現をしたとしても、直ちに違法ということにはなりませんが、職場における良好な人間関係を維持するという観点からは好ましくはありません。これに対しては、例えば、一定の頻度でオンライン会議により顔を合わせる機会を設ける、上司部下の関係にかかわらず丁寧語を用いる、メールでの指示に加えて必要に応じて電話で補足するといった対応が考えられます。

 

(3)事業主には、ハラスメント防止のための雇用管理上の措置を講じる義務があります(労働施策総合推進法30条の2第1項、男女雇用機会均等法11条第1項、11条の3第1項、育児・介護休業法25条第1項)。

   これまでのオフィスでの執務においてはハラスメントに対する意識も高まり、適切な対応が取られてきた企業においても、テレワークという新しい働き方の導入により、これまでとは大きく働き方が変わることになります。思わぬハラスメントが生じてしまうことがないよう、十分配慮しつつ、柔軟な働き方の導入により、有能・多様な人材の確保と流出防止、能力の活用が実現できると良いと思います。

 

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