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2020/12/09   コロナ関連トピックス   従業員対応  

コロナ対応Q&A(労務編)従業員への貸付

  1. 1.設問

    1)従業員から、新型コロナウイルス流行の影響で家族の収入が下がったため、貸付をしてほしいと申入れがありました。応じても構いませんか。

  2. 2) 貸付にあたり、利息を付すことはできますか。
  3. 3)給与や退職金と相殺する方法で返済してもらうことはできますか。
  4. 2.回答

    1)従業員に対する貸付は可能です。

従業員の勤務、生活の安定を図るという意味で、会社の事業運営上も有意義ですので、経済的に余裕があるのであれば検討されるといいでしょう。

雇用契約と金銭消費貸借契約が混同しないよう、契約書や借用書を作成したうえ、給与の支払と貸付金の交付が明確に区別できるよう注意してください。

貸付希望者が多い場合には、社内貸付制度を整えておいてもいいでしょう。

従業員への貸付は、反復継続して行う場合であっても、貸金業にはあたらないものとされています(貸金業法第2条1項4号)。従業員以外の者に反復継続して貸付を行う場合、貸金業法の規制対象となる可能性がありますので、ご注意ください。

2)貸付にあたり、利息を付しても構いません。

ただし、以下の点にご注意ください。

ア.利息制限法、出資法の金利制限に反しないようにすること

 利息制限法第1条で、貸付元金の金額に応じ、以下のとおり利息の上限が定められています。年利上限を超える利息の定めは、超過分について無効になります。

 貸付元金が10万円未満の場合                          :年20%

    〃  10万円以上100万円未満の場合      :年18%

    〃  100万円以上の場合                    :年15%

 また、出資法第5条1項において、年109.5%または日0.3%を超える利率で利息の契約をした場合、同利率の利息を受け取った場合、その支払を要求した場合、刑事罰の対象になります。なお、貸金業者の    

 貸付の場合、年20%を超える利率は刑事罰の対象になります。

イ.税法上の扱い

 税務上、法人は経済的に合理性のある行動しかとらないものとみなされます。その結果、利率が通常の金銭消費貸借契約より低い場合には、①利息として通常得るべき額を確保したうえで、②実際の受取 

 利息額との差額について、借主に経済的利益を供与したものとして扱われます。具体的には、①通常得るべき利息相当額を受取利息等として益金に計上したうえで、②実際の受取利息額との差額を給与と 

 して計上したものとみなされます。

 また、従業員についても、通常支払うべき利息相当額について、その支払いを免れたものとして雑所得が生じたとされる可能性もあります。

 適宜、税理士等にご相談ください。

 

3)以下の条件を満たす場合には、給与、退職金と相殺することができます。

ア.前借金相殺の禁止(労働基準法第17条)

 将来の賃金による返済を約束して使用者から労働者等への貸付することを、前借金といいます。労働者の退職の制限や(民法第627条1項は、期間の定めのない労働者の退職の自由を保障しています)、低 

 賃金の弊害があるため、使用者からの相殺は認められていません。

 これに対し、労働者からの相殺は可能です。

 給与、退職金との相殺による返済をお考えの場合には、貸付時の返済に関する条件や労働者が退職しようとしたときの対応等に注意し、前借金相殺と指摘されないようにする必要があります。

 

イ.賃金控除協定の締結(労働基準法第24条1項)、相殺合意

 使用者は、労働者に対し、給与の全額を支払わなければならないのが原則です。したがって、貸付金との相殺であっても、所定の要件を満たさずに使用者が給与から天引きすることはできません。

 過半数労働組合又は過半数代表者との書面による賃金控除協定の中に、賃金からの控除が可能な項目として「貸付返済金」が記載されているかどうかをご確認ください。

 また、賃金控除協定がある場合であっても、労務紛争の防止という観点からは、個々の労働者との間で、相殺合意書を取り交わしておくことが望ましいといえます。

ウ.差押禁止債権との相殺の禁止(民法第510条)

 毎月の給与支払額や退職金の4分の3に相当する部分は、差押禁止債権ですので(民事執行法第152条1項、2項)、使用者が貸付金と相殺することはできません(民法第510条)。

 もっとも、この規定は任意規定であり、使用者と労働者の合意によって適用を排除することができます。毎月の給与支払額や退職金の4分の1を超えて貸付金と相殺しようとする場合には、個々の労働者と 

 の間で、相殺合意書を取り交わしておくとよいでしょう。

 また、労働者からの相殺は可能です。労務紛争防止のため、労働者が相殺を申し出たこと、これが任意であったことについて、資料を作成しておくとよいでしょう。

お困りの際は、弁護士法人アステル法律事務所へご相談ください

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