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トピックス

2021/01/01   コロナ関連トピックス   従業員対応  

コロナ対応Q&A(労務編)新型コロナウイルス感染拡大と企業における従業員に関する対応

1 設問

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、事前の策としてどのようなことをしておけばよいのでしょうか。

また、従業員が体調不良であるという情報や濃厚接触者に該当することの情報をどの程度共有することが許されるのでしょうか。

 

2 回答

社内対応としては、様々なケースを想定した上で、従業員への安全配慮義務の履行、従業員の個人情報・プライバシーの保護、それに端を発する風評被害等の影響を考慮して、策を講じる必要があります。

(1)新型コロナウイルス感染拡大下における一般的な対応(予防)

  ア 手洗い・手指消毒・咳エチケット

    ・手洗い・手指消毒を徹底して行うように求める必要があります。

     →エレベーター、各出入口にアルコール消毒液を設置

     →エレベーター、トイレ、出入口にポスターを掲示し注意喚起

    ・咳エチケット

     →原則、勤務時においてマスク着用

     →咳エチケットについてのポスターの掲示(厚労省HP参照)

    ・社内換気

    ・会議中止

    ・会食禁止

  イ 体調不良者について出社をさせないこと

     →社内通達により、体調不良を感じる人は自主的に出社をしないように求める(病欠、有給)。

     →体調不良を秘して出社した場合、体調回復期の出社、PCR検査待機期間

  ウ 在宅ワークへの切り替え

     →在宅ワークができる業種の選定

     →交替勤務、時差出勤

     →在宅ワーク中の労務時間管理

     →在宅ワーク中の意思疎通

     →在宅ワーク中の情報管理

  エ その他

    ・就業時間外の過ごし方についての指示

    ・本人の体調の報告

    ・家族に感染を疑われる者が生じた場合の報告

 

(2)従業員に体調不良者が出た場合等

  ア 想定されるケース

 今回の場合に、想定される事態としては、以下のケースが想定されます。

   (ア)従業員が一般的な体調不良になった

   (イ)従業員又はその家族にコロナウイルス感染の疑いが生じた

   (ウ)従業員がコロナウイルスに感染した

 

  イ 個人情報等

 会社は従業員の様々な情報を有していますが、これらは従業員の「個人情報」として個人情報保護法によって保護されることとなります。特に病気に関する情報については、要配慮個人情報(個人情報保護法2条3項)に含まれると解されます。

 個人情報取扱事業者は、原則として、本人の同意がなければ当該情報を取得してはならず(法17条2項)、個人情報を取得した場合には、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、その利用目的を本人に通知し、又は公表しなければなりません(法18条1項)。また、「雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項」においては、自傷他害のおそれがある等、労働者の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合を除き、本人に利用目的を明示しなければならないとしています(留意事項第3の2(2))。

 個人情報や要配慮個人情報に該当する場合、通知された利用目的の範囲内において、会社は当該情報を利用することが求められており(法16条1項)、留意事項においても、労働者の健康確保に必要な範囲内で利用されるべきものであり、労働者の健康確保に必要な範囲を超えてこれらの健康情報を取り扱ってはならないとしています(留意事項第3の1(2))。

 以上を前提にしますと、個人情報、要配慮個人情報に該当しうる情報を会社が取得できるのか、取得できたとして利用することができるのか、利用する場合の制限はあるのかをそれぞれ検討する必要があります。

 また、要配慮個人情報、個人情報に該当する場合はもとより、それ等に該当しない場合であっても、新型コロナウイルスに感染した又はその疑いがあるという情報は、現時点において、一般的を基準として考えた場合、差別をされたり、行動を制限されたりするものであり、人に知られたくない情報として、法的保護に値するプライバシーに係る情報に該当します。

 そのため、個人情報保護法上の問題をクリアできたとしても、感染したことや、その疑いがあることは、個人が特定され得る形で、社内の広い範囲に共有されることは厳に控えるべきです。

 

    感染の有無について、段階的な処置を講じ、個人情報、プライバシー権の保護と、安全配慮義務とのバランスをとったフローを策定することが会社に求められる対応ということになります。

 

 【チェック事項】

    □ 個人情報に該当するか

    □ 要配慮個人情報に該当するか

    □ 取得することについて、本人の同意があるか

    □ 利用目的は通知されているか

    □ 通知された利用目的の範囲内で使用されているか

    □ 利用の範囲は必要かつ相当な範囲内といえるか

 

⇒コロナウイルス感染拡大措置を講じるために必要な範囲で利用しているかが問題になります。

 

 

  ウ 情報ごとに検討しておきたいと思います。

  

  (ア)本人が体調不良であるという情報(利用範囲:狭い)

     本人が一般的な体調不良であるという情報は、本人の健康状態に関する情報に該当し、個人情報のうち要配慮情報に該当します。

     従業員の健康状態は、本人の自己申告により会社が取得するものですから、本人の同意もあります。また、会社は、従業員に対して、安全配慮義務を負っており、会社において、個人情報取扱規定により利用目的の明示があるかを確認の上、その範囲内で利用することが必要です。

     もっとも、利用の範囲は、個人情報保護法により、利用目的の範囲内で使用することができるにとどまります。また、プライバシーの観点からも、利用範囲は必要かつ相当な範囲内で使用が許されるにすぎません。

     現在の状況下において、体調不良者に対して、出社しないように求め、コロナウイルスにり患している蓋然性をも視野に入れて、平時よりも自宅療養の期間を長めにとることを勧める範囲において、体調の動向を尋ねることは個人情報保護法、プライバシー、安全配慮義務との兼ね合いから認められるものと考えます。

     一方で、単に体調不良であることのみをもって、その個人が特定される形で社内に共有することは、会社がプライバシー権を侵害するものであり、従業員から損害賠償請求を受けうる行為であるともいえます。

     また、それにより当該従業員に対して、社内でのハラスメントが生じたり、当該従業員があたかもコロナウイルスの感染者であるかのような風評被害が起きたりという弊害も生じ得ます。

 【チェック事項】

    □ 個人情報に該当するか

    □ 要配慮個人情報に該当するか

    □ 取得することについて、本人の同意があるか

    □ 利用目的は通知されているか

    □ 通知された利用目的の範囲内で使用されているか

    □ 利用の範囲は必要かつ相当な範囲内といえるか

 

 

  (イ)感染が疑われる事実に関する情報について(利用範囲:中)

     ある従業員が「新型コロナウイルスの感染者(又はその疑いがある者)の濃厚接触者である」という情報や、「感染者が多発している地域に最近滞在していた」という情報は、個人情報保護法上、直ちに要配慮個人情報に該当するものではありません。

     もっとも、家族にコロナウイルス感染者がいるという情報は、当該家族にとっては要配慮情報に該当します。実務上は、従業員を介して、感染者たる家族本人の同意があったものと扱われるケースがほとんどだと思いますし、仮に当該家族の同意がなかったとしても、①人の生命身体の保護のために必要がある場合、②公衆衛生の向上のために特に必要がある場合に該当するものとして家族本人の同意がなかったとしても取得ができると解釈されるものと考えます(法17条2項2号・3号)。

     また、利用目的について、家族の健康状態については、その利用目的が一般の個人情報取扱規定上は必ずしも明らかでないことが多いですが、家族が従業員を通じて感染した旨の情報提供を行う場合には利用目的が感染拡大防止のための必要な処置を講じる限度で、利用目的が明らかであると認められる余地は十分にあると考えます。

     以上を前提として、本人の同意に基づき情報を取得し、個人情報取扱規定に基づき、健康管理、職場環境管理、休職等労務管理のために、かかる情報を必要かつ相当な範囲内で利用することは可能です。

     すなわち、(ア)の場合よりも、感染の疑いがある以上、自宅待機の要請は高まりますし、接触していた従業員を特定する等の準備行為を行う必要はあります。その疑いの程度によって、当該従業員と接触していた従業員についても自宅待機を命じる必要性も生じてくると思われます。

     一方で、その個人が特定される形で、社内に共有することは、会社がプライバシー権を侵害する行為であり、従業員から損害賠償請求を受けうる行為であるともいえます。

     上記措置をとるために必要な範囲、すなわち、直属の上司、管理部門の限定された者、役員等限定された範囲内で情報共有する限りにおいては許容されると考えられます。

     また、前述の接触従業員の特定等の過程により、事実上、感染した、又はその疑いがあるその従業員の個人が特定されてしまうこともあり得ると思いますが、適正な方法で調査を行っていれば、調査を行ったこと自体が違法とまではいえないものと想定されます。

 【チェック事項】

    □ 個人情報に該当するか

    □ 要配慮個人情報に該当するか

    □ 取得することについて、本人の同意があるか

    □ 利用目的は通知されているか

    □ 通知された利用目的の範囲内で使用されているか

    □ 利用の範囲は必要かつ相当な範囲内といえるか

  

 (ウ)本人が新型コロナウイルスにり患したという情報(利用範囲:大)

    この場合は、まさに要配慮個人情報に該当しますが、り患したこと自体は従業員の自己申告により会社が取得するか、就業規則等により従業員の同意があると認められ、就業規則等により利用目的も明示されていると想定され、会社は、個人情報取扱規定に基づき、健康管理、職場環境管理、休職等労務管理のために、かかる情報を必要かつ相当な範囲内で利用することが可能です。

     そして、(ア)(イ)の場合に比して、会社が他の従業員に対する安全配慮義務を履行するべき要請が高くなりますので、接触者の調査、当該従業員が使用していた社内の消毒等の作業を行うことが求められます。

     この場合においても、調査過程において、事実上、個人が特定されてしまうことはやむを得ないとしても、会社が、個人を特定できる形でコロナウイルスに感染した事実を公表するべきではありません。

 【チェック事項】

    □ 個人情報に該当するか

    □ 要配慮個人情報に該当するか

    □ 取得することについて、本人の同意があるか

    □ 利用目的は通知されているか

    □ 通知された利用目的の範囲内で使用されているか

    □ 利用の範囲は必要かつ相当な範囲内といえるか

 

 

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以上

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