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災害・コロナ関連トピックス

2021/03/04   コロナ関連   災害・コロナ関連トピックス  

「自然災害債務整理ガイドライン」の新型コロナウィルス感染症への適用

1 はじめに

令和2年は新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、緊急事態宣言も発令され、全国で外出自粛要請や飲食店等に対する休業要請がなされる等、まさに未曽有の事態となりました。この影響で失業や収入減に追い込まれ、ローン等の返済が困難となり、債務整理をご検討される方も増えています。

返済困難な債務を整理する法的手段として、自己破産等の手続があります。しかし、こうした手続では、ご自宅等を手放さざるを得ないことも多く、信用情報機関への登録により当面は新規借入れが困難になる等、債務者の負担が少なくありません。

そこで、債権者と債務者の合意により柔軟な解決を目指す「自然災害による被災者の債務整理によるガイドライン」(以下「自然災害債務整理ガイドライン」といいます。)が、令和2年12月1日以降、新型コロナウィルスの影響を受けた個人債務者に適用されることになりました。

本稿では、同制度に関する概略を簡単にご紹介します。

 

2 「自然災害債務整理ガイドライン」とは

自然災害の影響を受けたことにより既往債務を弁済できなくなり、法的倒産手続の要件に該当することになった個人の債務者について、債権者と債務者の合意に基づき債務整理を行う際の準則が「自然災害債務整理ガイドライン」です。

自己破産等に比べて以下のメリットがあり、債務者等の生活再建がしやすい制度になっています。

⑴ 信用情報機関に登録されない

通常、自己破産等の手続を経た場合は、信用情報機関に名前が登録され、手続後数年間は新たな借入れ(クレジットカードの利用も含みます。)を行うことが困難になります。

しかし、自然災害債務整理ガイドラインが適用される事案は、弁済が困難になったことについて本人に帰責事由が無いため、当該債務者が債務整理を行った事実等について、債権者は信用情報登録機関に報告・登録を行わないこととされています。

そのため、手続後も新たにローンやクレジットを利用することも可能です。

⑵ 財産の一部を手元に残せる

一定の財産を手元に残せるため、生活の再建を図りやすいです。

また、ご自宅が持ち家という場合、自己破産を行う場合はご自宅を手放さざるを得ないことが多いですが、自然災害債務整理ガイドラインでは、住宅ローンの支払いを継続してご自宅を保持することも可能です。

⑶ 保証人に対して保証債務の履行を求められないことが多いこと

主債務者が債務整理を行っても、原則として保証人に対する保証債務の履行までは求められないことが多いです(個別事案により例外もあります)。

そのため、親族やお知り合いの方が保証人になられている場合、保証人の方に迷惑をかけずに債務整理を行うことが可能です。

⑷ 専門家の支援が無償で受けられること

弁護士や不動産鑑定士等の専門家が関与する手続ですが、債務者ご本人がその費用負担をすることはありません。

 

3 手続の流れ

自然災害債務整理ガイドラインを利用する大まかな流れは、以下①~⑤の通りとなります。

① 手続着手の申出

まず、債権者の中で最も金額が大きい債権者(金融機関)に対して、自然災害債務整理ガイドラインの手続に着手することを申し出ます。

② 登録支援専門家への依頼

①で同意が得られれば、「登録支援専門家」(弁護士の他、公認会計士や不動産鑑定士等)による手続支援を依頼することになります。地元の弁護士会を通じて、全国銀行協会に対して手続支援を依頼することになりますので、まずは地元の弁護士会にお問い合わせを頂いた方が良いかと思います。

③ 各金融機関への債務整理開始の申出

登録支援専門家の選任後、当該登録支援専門家と共に自然災害債務整理ガイドラインによる債務整理の要件を満たすかどうかの検討や資料の準備等を進め、準備が整った段階で、対象とする全ての債権者に債務整理開始の申出を行います。これにより、債務の返済や、各金融機関からの督促が停止されます。

④ 調停条項案の作成及び各金融機関への提示・説明

登録支援専門家の支援を受け、債務整理の内容を盛り込んだ「調停条項案」を作成します。そして、対象となる全ての金融機関へ提出して説明を行い、各金融機関からの同意を得るよう努めます。

⑤ 特定調停の申立て及び成立

④で同意が得られ次第、簡易裁判所へ特定調停を申し立て、調停(弁済計画)が成立します。これにより、債務整理が完了し、以後は調停条項に基づいた弁済を開始することになります。

 

4 注意点

コロナ禍において返済が困難になった全ての債務者が、自然災害債務整理ガイドラインを活用できるわけではありません。

返済ができなくなった原因が新型コロナウィルスの影響によるものか(災害起因性)、収入や住宅ローン返済比率に照らして継続的な弁済が困難と認められるか(支払不能)、借入時期がガイドラインの要件を満たしているか(対象債務)等の要件があります。

特に、令和2年11月1日以降の借入れは「対象債務」の要件を満たしませんので、今後借入れ・借換えをご検討されている方は注意が必要です

 

5 おわりに

自然災害債務整理ガイドラインは、新型コロナウィルス感染拡大に伴う経済活動の停滞により、返済が困難になった方を救済する一つの有力な手段になります。

当事務所には、熊本地震や令和2年7月豪雨の際に、自然災害債務整理ガイドラインの運用を経験した弁護士が複数名在籍しています。ベストな解決方法を模索するべく、まずは弁護士法人アステル法律事務所へご相談下さい。→相談ご予約|熊本で弁護士をお探しならアステル法律事務所 (aster-law.net)

 

※ご相談の流れについては、以下をご参照ください。

https://aster-jigyousaisei.net/flow/

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